幸福の王子
錆びた私の身体
美しいサファイヤの瞳は 無くなり
純金
で覆われた輝かしい身体は 灰色になり
もう 身動きする事さえ 許されない
それでも
空
は 青く澄み渡り
海
は 空に負けないほど 青く
風
は 頬を撫でるように そっと 吹き
心優しい 一羽のツバメが
いつも私を 慰めていてくれた
永遠の輝きなんて いらない
ただ 人々の心の片隅にでも
私との思い出が残っていてくれれば
他には 何もいらない
さぁ 私と一羽のツバメを 天へと導いて...
寒空の下
王子の像
と 一羽の
ツバメ
の おはなし